8/06/2009

京都の住所における小ネタ

今回は京都の住所における、他の地域とは違う点を書いてみようと思う。京都は日本でも独特の文化が残っており、住所からもその姿を垣間見ることができる。

◆右京、左京
京都市には右京区・左京区という区が存在する。地図で確認すれば一目瞭然だが、東に左京、西に右京とある。普通の感覚の左右とは逆である。

これは何故か。

帝が京におわす時代、帝の位置を基準で整備されたものがある。その一つが右京や左京であり、帝の玉座は南を向いていたため、帝から見て右(=西)が右京、左(=東)が左京となる。

玉座が南を向いていたのは何故か。

当時の日本は中国に習うところが多く、思想もそうだった。中国には南面思想というものがあり、天子は南を向くべきだと考えられていた。ちなみに、中国の神話?で北斗は死を司り、南斗は生を司るということである。このあたりが関係して、玉座は南を向いていた。

◆上ル、下ル、東入ル、西入ル
「あがる」「さがる」「ひがしいる」「にしいる」と読む独特な表記方法が京都には存在する。例えば「烏丸通四条上ル」と言えば、烏丸通と四条通の交差点を北に進むという意味になる。また、「四条通烏丸西入ル」と言えば、先ほどの交差点を西に進むという意味になる。

また、「上ル」「下ル」は単に南北を表すものではない。先ほどの右京左京と同じように、帝の居所に近づく場合に「上ル」、遠ざかる場合に「下ル」を使う。

◆京・左
住所に「京都府京都市左京区」と書く代わりに、「京・左」と書くことができる。あまり他の地域でこういった略称を見たことはないのだが、京都の郵便局では普通に処理されるので、今度京都市内にハガキや小包を送ることがある際には使ってみては如何だろう。


そういえば、郵便番号が 7 桁になってから久しいが、7 桁を有効に使っている人はいるのだろうか。かくいう私も郵便番号を 7 桁で書くくせに、「市」から書いてしまう。住所を扱うシステムやら印刷物やらに多大な労力を強いたにも関わらず、人々に 7 桁を書くように強制したにも関わらず、「7 桁書けば書くべき住所を大幅に減らせる」というアピールが非常に足りなかったのではないだろうか。

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