1/15/2010

私の音楽歴

音楽という芸術 でも触れさせていただいた内容と重複するかもしれないが、「音楽」というものに対する私の観念を書いてみようと思う。

私はそもそも、小学校の頃にピアノを習わせられた。最初はヤマハ音楽教室に通い、先生が独立したあとは、その方に個人レッスンをしていただいた。発表会にも何度か参加したことがある。題材に今は懐かしい「ドラゴンクエスト III」を使ったこともあるし、先生と連弾でやったこともある。小学五年の頃は学校の音楽クラブに入ったが、男子が私しかいなかった。さらにその頃、小学校の友人から「ピアノなんて女みたい」と罵られ、恥じた私はピアノに身が入らなくなり、わざと学校の音楽の点数を落とす行動に出たこともある。中学に入り、普通に勉強したいというどうでもいい理由からピアノを辞めた。できれば音楽大学に入れるかもと妄想していた親の期待を裏切ったわけだが、自分でももっと続けておけば良かったと後悔している。

家には親父のレコードが数多くあったが、ほとんどがジャズだった。10 歳のときに骨折し、祖父母のいた東京で入院していたため学校へ行けず家庭教師を頼んでいたが、来た先生がクラシック音楽を愛する方で、勉強そっちのけで音楽について語りあい、「題名のない音楽会」の話なども飽きずにしていた。腕の具合が良くなってきたため彼と別れることになったが、餞別として彼はクラシック音楽のレコードを 14 枚くれた。今となっては針がダメになったので聴くことはできないが。。。

私が初めて手にした CD はバッハのオルガン曲集だったが、中学に入ると回りに影響されてポップスも聴くようになったが、ほんの数年だった。高校の最初の年に X に初めて出逢い、それ以来、メタルという構成美を至上とする音楽分野へ傾倒していった。高校では HELLOWEEN、VIPER、ANGRA、RAGE 等を友人に紹介してもらい、大学では Yngwie Malmsteen、Blind Guardian、Stratovarius、Royal Hunt、Symphony X、DREAM THEATER などを教えてもらった。また、「HEAVY METAL SYNDICATE」というラジオ番組を毎回聴き、Burrn! 誌を読み漁っていた。そして、巷に普及し始めていたインターネットにおいて、幾人かの友人ができ、様々なバンドを知るようになったり、Kelly Simonz's Blind Faith の Kelly 氏と知り合ったり、ライヴハウスに通って Moonstruck、Marge Litch、Knighttear と言ったマイナーではあったが好みのセンスを持つバンドと仲良くなったりした。

会社に入るとそうも行かなくなり、だんだんと最新のバンド情報に疎くなっていったが、私自身の観念は変わらなかった。ベースには敬愛するバッハが流れた、メタルの疾走感、プログレッシヴメタルの構築美を全て融合している類いの音楽を好んでいる。

私は一つ一つの音に対して議論を重ね、過剰な音はないか、不足な音はないかという作曲方法を好んで使用している。その議論が非常に長くなるのは、対位法を用いるときだ。現代音楽において大勢を占めているモノフォニーやホモフォニーなどは非常に楽なのだが、それぞれの音を理論的に構築していかないと対位法は完成しないため、鼻歌レベルでは不可能と言って良い。よく「5 分で曲を作れる」とか言う輩がテレビ等に露出されているが、それはただ一つのメロディーなだけで、構築などというレベルではない。議論もないため非常に濃度が薄いと言える。音楽は磨き上がれば芸術になり得るし、学問でもある。その磨きの過程を放棄しているポップスは、私の趣向に会わないし、「アーティスト」などの言葉は奴らへは論外であろう。

また、「歌詞が良い」などと聴くことも多分にある。しかし私から見れば歌詞などどうでも良く、なくても全く意に介さない。歌声でさえ、一つの楽器と捉えているので、「フンフンフン」と歌おうが歌詞がついていようが、同じだ。ただ、私は歌詞が嫌いだと言っているわけではない。あってもいいが、なくてもいい、それだけの存在と思っている。しかしどうせ歌詞をつけるのであれば、自分の主張や世界観をそこに構築すべきであって、惚れた腫れたなどの詩を公共の電波に載せることは、全くの無駄である。そんなことは伝えたい人にこっそりと言えばいいことであって、声を大にして言うことではない。構築美もなく、世界観もなく、歌詞もしょーもないという点が揃っているので、私はヒップホップやラップを激しく嫌う。

先に挙げた対位法も難解な技法ではあるが、それぞれのパートが違う拍子を持つポリリズムも構築するのに手間がかかる。変拍子はもういくつも使っているので大して苦にはならないが、変拍子同士のポリリズムなど難儀である。しかしこのような難解な音楽を構築することだけが、私の音楽欲を満たすので、今後も続けていきたい。

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