1/27/2010

日本人の言葉の衰退

私は正しい言葉を使いたい。5 年程前にそういうことを思い初めてから、なるべく意識するようにしている。要は、ら抜き言葉や略語などを使わないように努力している。

ら抜き言葉は、学校教育の経験からも間違いであることを理解している。だから、日本語として正しい用法を守ろうと思っている。

そして略語も 20 年前に比べれば、圧倒的に増えた。意味の判らない言葉がとても増えた。世間に単語が増えたのではない。短過ぎて訳が判らないものが増えた。なので私は話すときは極力略語を使わないようにしている。その略語を他人は知らないかもしれないので、後から説明する必要性を考えても合理的であるし、略語を使うことはそもそも脳に良くない。

言葉を略しているのだから、当然本来の単語よりも文字数は少なくなる。その単語を使い続ければ、単語を記憶するために使うチカラは少なくなる。故に、脳の活性化に逆行することになる。ひとつひとつの言葉を用法・用量を守って正しく使うことは、脳の活性化にも繋がる。

略された言葉が横行すれば、本来の言葉が忘れ去られ、あたかも略語が本当の単語と思う人が増える。それでいいのか。喩えは変かもしれないが、マグロは切り身の状態で海を泳いでいると思っている子どもがいるという報道をかなり昔に見た。要はマグロが単語であり、切り身が略語である。切り身しか見ない環境に置かれれば、マグロという魚の像を知らずに育つ。そして将来、恥をかく。

これらはメディアに出ることを仕事としている人ほど気をつけてほしいのに、一向にそういう風潮はなく、むしろ略語を流行らせようとしている。日本人の脳の活性化を妨害しているとしか思えない。せめてら抜き言葉ぐらいは使わない教育を施されてから、メディアに出るべきではないだろうか。

あとメディアといえば、漢字もひらがなで書いてあったり、わざと漢字かな交じりで使用していることをよく見かける。知らない漢字に出会えば辞書をひけばいいだけだし、メディア側もちょっと読めないかなと思われるものは漢字のあとに括弧書きでよみがなを入れることで解決できると思う。ひらがなを使えば反って読みにくくなることもあるし、意味をとれないこともある。

私は日本語を美しい言語だと思っている。しかし、現状は衰退している気がしてならない。

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