私は前の会社では「ウェブデザイナー」という職に就いていたが、一般的にイメージする「デザイン」をしていたわけではない。コーディングとシステム開発とクライアントとの折衝を行っていた。誰がデザインしていたか、それは「デザイナー」がしていた。だから「ウェブデザイナー」という職名に疑問を感じていた。むしろ「コーダ」や「エンジニア」の方が近いのではないかとも思っていた。
職名というのはある程度業務内容を想起できるような名称であるべきだ。もし「ウェブデザイナー」と名乗られたら、デザインする人だと思って然りである。もちろん、「なら会社に文句言えよ」と思われるかもしれないが、実は前の会社だけでなく、色々な会社でもこのような名称を用いているようだ。
先の転職活動期に、Find Job という大手に登録し、毎日これでもかというくらいに情報を送ってくるのだが、「ウェブデザイナー」名義であるのに、やれコーディングしろとか php にも理解ある人を望むとか、Javascript でインターフェイスを構築できる人優遇だとか、なにからなにまで「ウェブデザイナー」という職名で済ませ、やらせようとしている気がしてならない。デザインからコーディングまでできる人を企業が望むのは判る。なるべく人件費を払いたくないから、いっそなんでもできる人がいいという方針は判る。しかし、そんな人はそう簡単には見つからないし、これだけのことを充分にこなせる人物なら、そんな情報に頼らなくても引き抜かれたり、独立したりしているであろう。もしこれだけの職務範囲をさせるのであれば、まだ広域の「ウェブクリエイター」の方があっている気がする。私のようにデザインをしない職務であれば、前述のように「コーダ」や「エンジニア」とした方が良いと思う。企業はもっと、職名に対して真剣になるべきだと考える。
個人的なイメージだが、デザイナーはその名称に誇りを持っている。とてもいいことだと思う。だから「ウェブデザイナー」という現状のように節操ない職名が乱立していることは、本来のデザイナーに対して、申し訳ない気がしてならない。
9/04/2009
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