4/26/2010

映画「アマデウス」での嘘?

先ほど、録画しておいた「名曲探偵アマデウス」の「Eine Kleine Nacht Musik(アイネ クライネ ナハト ミュジーク)」を見ていたときに思った。1984 年に公開された傑作映画「アマデウス」の中に嘘があったと。もちろん、名曲探偵側の主張が真実であったら、という前置きと、実に細かい点ではあるが。

映画「アマデウス」での冒頭にこんなシーンがある。年老いたサリエリが巡回に来た神父にピアノを弾いて聴かせる。最初のいくつかはサリエリが作曲したものだったが、神父は「知らない」と言う。数曲そんな問答があった末に、サリエリが弾いた曲に神父が反応し、ピアノが奏でるメロディーと一緒に口ずさみ、「知っている!大好きな曲です。あなたが作曲されたとは」とサリエリに告げる。しかしそれはモーツアルトの「Eine Kleine Nacht Musik」で、サリエリはガッカリする。。。

さて、名曲探偵ではこのような主張が行われた。この「Eine Kleine Nacht Musik」は、作曲された 1787 年以降随分とこの曲が演奏された記録がなく、ほとんどの人は存在を知らなかった。ただ、SP レコードが段々と流布していった 1930 年代にようやくこの曲が多くの人の耳に届くようになった、と。SP レコードの片面の再生時間は 4 分しかなく、「Eine Kleine Nacht Musik」は各楽章がその片面に全て収まるのでよく録音され、販売されたらしい。

ということは、サリエリの没年が 1825 年なので、映画中の神父の反応は脚本によって作られたフィクションであると結論付けることができる。もちろん、このサリエリと神父の会話すらがフィクションだと予想されるので、今更言ったところで、なんの役にも立たないのだが。

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